服のタグについている、洗濯表示。
記号がいくつも並んでいて、正直ややこしいですよね。
なんとなくで洗ってしまうことも多いと思いますし、読み方の誤解もあちこちで見かけます。
今回はモリモトクリーニングの守本社長に、洗濯表示の見方と、特によくある誤解について聞いてみました。
誤解その1:「ドライ」表示=クリーニングに出さないといけない、ではない


――「ドライ」と書いてあると、クリーニングに出さないといけないと思っている人が多いですよね。
「それが一番多い誤解やね。ドライの表示は『ドライクリーニングができる』という意味であって、『ドライクリーニングしかできない』という意味ではないんです」
家で洗えるかどうかは、ドライ表示ではなく、隣にある「桶(おけ)」のマークで判断します。
桶に数字が書いてあれば、その数字が洗濯に使える水温の上限。手の絵があれば手洗い。桶に×がついていれば、水洗いはできません。
「ドライ表示と桶のマーク、両方ついている服は多いです。その場合は、ドライクリーニングもできるし、表示の範囲で家でも洗える、という意味になります」
誤解その2:洗濯機の「ドライコース」は、ドライクリーニングではない

――洗濯機に「ドライコース」があるので、あれでドライクリーニングができると思っている人もいます。
「ここが一番危ない誤解です。家庭の洗濯機は、どのコースを選んでも水で洗っています。ドライクリーニングは水ではなく溶剤で洗うものなので、家庭ではそもそもできません」
洗濯機のドライコースは、水の流れを弱くして、衣類を優しく洗うためのコース。いわゆる「ドライマーク用洗剤」も同じで、ドライクリーニングができるわけではありません。
「だから、『水洗いできない』と表示されている服は、ドライコースでもドライ用洗剤でも、家では洗えません。型崩れや色落ちの原因になります」
新表示と旧表示、2016年に変わっています
洗濯表示は2016年12月に新しい表示へ切り替わりました。
今売られている服は新表示ですが、長く着ている服のタグは旧表示のままです。記号の形が少し違うので、両方見たことがある人も多いと思います。
意味の基本は同じです。分からない記号があったら、無理に判断しないのが安全です。
【参考】主な記号の早見表です。保存版としてどうぞ。

海外製品の表示はどう見る?

海外ブランドの服も増えています。海外の表示は、国によって仕組みが違います。
ヨーロッパの記号は、日本の表示のもとになっている国際規格に近いので、だいたい同じ感覚で読めます。
アメリカの製品は、記号よりも英語の文字で書かれていることが多いです。たとえば「Dry clean only」は「ドライクリーニングのみ」、「Machine wash cold」は「冷水で洗濯機洗い可」という意味です。
「海外製は表示がざっくりしていることも多いですね。迷ったら、記号の有無より先に素材を見ます。素材と仕立てで、だいたいの危なさは分かります」
ざっくり比べると、こんな違いがあります。
| 日本 | ヨーロッパ | アメリカ | |
|---|---|---|---|
| 示し方 | 記号が中心 | 記号が中心(日本と近い) | 英語の文章が中心 |
| ドライの示し方 | 丸の中に文字の記号 | 日本とほぼ同じ記号 | 「Dry clean」「Dry clean only」と文章で書かれる |
| 水温の示し方 | 桶の記号の中に数字(℃) | 桶の記号の中に数字(℃) | 「Cold/Warm/Hot」の言葉や、ドット(点)の数で示すことが多い |
| 特徴 | 2016年から国際規格に沿った新表示 | 日本の表示のもとになった規格に近く、読みやすい | 記号だけの服は少なく、文章を訳せば意味が分かる |

※比較表は目安です。実際の表示は製品ごとに確認してください。
社長の判断フロー:迷ったらこう見る
表示を見るときの順番は、こうです。
まず桶マークを見る。水洗いできるかどうかが決まります。
次に素材を見る。ウールやシルク、レーヨンなど、水に弱い素材は慎重に。
最後に、その服が「失敗したら困る服かどうか」。高い服、大切な服ほど、無理をしないことです。

「表示は、その服の『洗い方の指定書』です。読めれば家で洗える服は増えます。でも、水洗いできない表示だけは守ってください。あれは本当に洗えません」
最近は、タグを全部写真に撮って、ChatGPTやGemini、ClaudeのようなAIに聞いてみる、という手もあります。記号の意味を調べる入口としては便利です。
「AIの答えは入口としてはええと思います。ただ、最終的には表示と素材を見て判断するのが確実です。AIは服を触ってへんので(笑)」
それでも分からないときは、タグの写真を撮って、公式LINEで聞いてもらえたらと思います。


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